GoGokongのラクガキ帳

雑誌の感想など、日々の記録を残そうと思います

雑誌の感想 日経サイエンス 2020年5月号(1)

何が無駄なのかわからない

本誌に掲載された科学研究のトピックスに気になる記事があった。

1.訳に立つ雑音

ネズミを用いた聴覚処理の研究。

ホワイトノイズと呼ばれる背景音(雑音)の有無が、同じくらいの音階の音を聞き分けるときの影響を調査した。結果は、ホワイトノイズが有る場合の方が、聞き分けるという結果がでたそうだ。人間もネズミも全く異なった音階の音の聞き分けは簡単にできるが、似た音階となると難しいらしい。この研究結果が、将来難聴や聴覚過敏の治療に生かせるかもしれないということだ。

 

2. 野火の利点

コウモリと山火事の関係を調べた研究。

コウモリは農家の敵である害虫を食べてくれる人間の生活にとっても、無視できない存在だ。しかし、最近、生息地の減少や気候変動、病気の流行が原因でコウモリの数が減少しているそうだ。

この研究では、コウモリの減少の原因として他に「山火事の減少」を挙げている。フィールド調査の結果、山火事が過去しばらく発生しなかった個所より山火事が発生した箇所の方が、コウモリの種類が多く観察されたそうだ。

 

この2つの研究では、一見なくしたほうが良さそうなことが実際は必要な場合があることを教えてくれる。

人という生き物は、自分の経験や思想というフィルターを通してみることで、自分が見たいように世の中を解釈する。ひょっとしたら、科学がここまで発展してきたのは、そんな人間が真実を見極めるためだったのかもしれない。

 

最近は、なんでも「選択と集中」を行って、一見良さそうなことに全力を投じる人や会社のことをよく聞く。自然科学の研究や教育への国の投資もそうだ。

でも、世の中そんなに簡単に先のことなんて見通せないし、見通しを出してもよく外れる。今のコロナ騒動だって、ここまで世界中がパニックになるなんて誰が想像できただろう。これまでの科学や技術の発展だって、偶然に左右されたものがたくさんあった。一見役に立たなく見えたもの、小説や漫画、ゲーム、ファッション、音楽だって今では人の生活に欠かせない要素の1つだ。

自分は、もっと視野を広げていろいろなことを考えたほうがいいのかもしれない。もっと柔軟にかんがえられるようになったほうがいいのかもしれない。どう始めたらいいのかわからないけど...