GoGokongのラクガキ帳

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もやはSFの世界 雑誌の感想 日経サイエンス 2020年6月号(2)

日経サイエンス 2020年6月号に掲載された記事「加速するAI」、「AI時代のサイバー戦争」、「サイバー監視の攻防」を読んだ。自分なりにまとめてみた。

IT分野はどんどん広がっていく

私が子供のころは、まだ携帯電話もコンピュータも身近になかった。確か、初めて触ったパソコンは今と比べるとゴツイ形で電源を入れて立ち上がるまで数分はかかったしネットのレスポンスも全然遅かった。携帯電話は高校に進学した時に初めて買ってもらった。折り畳み式で入力はボタンだった。

それから今までIT環境はどんどん進化してきた。ノートパソコンの性能はどんどん上昇してカフェに持ち運んで作業する人なんて今では当たり前の存在だ。携帯電話はスマホに進化した。スマホは小さいパソコンの言えるような機能を実現している。それだけではない。今では、私たちの生活に深くかかわる領域にまでITは進出している。IoTやAI、ビックデータは、いま最もホットな話題だろう。

進化を続けるサイバー攻撃

「加速するAI」では、現在可能であることが確認されたサイバー攻撃が書かれている。どれも、まるで小説や漫画のような話だ。

  • 電話越しにメールに書かれた口座に送金するように指示された。しかし、それは本人そっくりに話すAIだった。(実際に起こった事件)
  • スマートスピーカーだけに反応するノイズをまぜた音楽を流して、スマートスピーカーをハッキングする。(ドルフィン攻撃)
  • 対象の顔画像をAIによって作り出して、顔認証システムへのハッキングする。
  • 外科医が遠隔操作する手術ロボットに、自ら攻撃対象を学習するスマートマルウェアを潜ませて、しばらく手術の映像を確認して重要な場面を学習する。そして対象人物の手術にて、重要な操作のタイミングで誤作動を起こさせる。

サイバー攻撃が進化した訳

サイバー攻撃がここまで進化した背景を簡単に2つ挙げていた。

  • IoTによって感染先が家電製品など大幅に広がった。
  • コンピュータや通信機器内のICチップの裏側や回路基板に悪意をもって取り付けた微小な通信チップ(HT:ハードウェアトロ―ジャン

受ける恩恵

サイバー攻撃が複雑化したのは、結局IT分野がどんどん広がったからだ。しかし、それによって私たちが受ける恩恵も大きい。(「サイバー監視の攻防」より)

①ビジネス

データを解析して、人々の思考・消費行動を分析してビジネスの可能性を広げることができる。

例:グーグルにて、利用履歴を収集・解析。ユーザーの関心が高い分野を特定して、クリティカルな広告を表示する。

②テロ・犯罪の防止

監視カメラの設置などがすぐに思い浮かぶだろうが、それ以外に以下の技術が開発・運用されている。

  • 歩容監視システム
    歩容とは歩き方の癖(姿勢や足の運び、手の動き等)を指す。これは個人で異なる。歩容に合わせて体形を組み合わせて個人を特定するシステム。
  • 行動追跡アプリ
    個人の行動を顔認証時ステムがついた監視カメラや、電子マネーの支払い等から特定する。コロナ対策では中国などで使用され、濃厚接触者に対して通知が届くようになった。

対策

個人データの利用について、EUは「一般データ保護規制」を制定した。これは、EU内の個人が自分のデータをどう使うのか決めることができるという内容だ。日本でも、デジタルプラットフォーマ(グーグルやアマゾンなど)に対する規制が作られた。

また、サイバー攻撃に対しては、完璧な守ることは難しいため、システム内の異常を早期に発見・対策することに軸足を移している。要するに、何かが起きた時に臨機応変に対応する力を磨くことが大切らしい。